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セキュリティ
2023年12月22日
読了時間: 8分

パスワード管理の決定版:安全で便利な方法とは

大久保博
ITサポートクラブ 代表
パスワード管理の決定版:安全で便利な方法とは

セキュリティを保ちながら、パスワードを効率的に管理する実践的な方法を解説します。

パスワード管理の現実

平均的なビジネスパーソンは、100個以上のオンラインアカウントを持っています。すべてに異なる強力なパスワードを設定し、覚えておくことは不可能です。

よくある危険な習慣

1. 同じパスワードを使い回す

1つのサービスから漏洩すると、すべてのアカウントが危険にさらされます。

2. 簡単なパスワードを使う

「password123」「会社名2024」などは数秒で破られます。

3. パスワードをメモに書く

デスクに貼られた付箋は、誰でも見ることができます。

4. Excelファイルで管理

ファイルが盗まれたり、誤って共有されるリスクがあります。

強力なパスワードの条件

理想的なパスワード

必須条件:

- 12文字以上(推奨は16文字以上)

- 大文字と小文字を混在

- 数字を含む

- 記号を含む

- 辞書にある単語を避ける

- 個人情報(誕生日、名前など)を避ける

良い例:

`Tr7$mK9@pL2#nQ5!`

悪い例:

`tanaka1980`(名前+誕生年)

`password123`(よくあるパスワード)

`company2024`(推測しやすい)

パスワード管理ツールの選び方

おすすめパスワード管理ツール3選

1. Bitwarden(ビットウォーデン)

料金: 無料(有料プランは年間$10)

特徴:

✓ オープンソースで透明性が高い

✓ 無料プランでも機能が充実

✓ すべてのデバイスで同期

✓ 二段階認証対応

おすすめの人:

- コストを抑えたい

- オープンソースを信頼する

- 基本機能で十分

デメリット:

- UIがやや地味

- 日本語サポートが限定的

2. 1Password(ワンパスワード)

料金: 個人$2.99/月、ファミリー$4.99/月、ビジネス$7.99/月

特徴:

✓ 使いやすいインターフェース

✓ 強力なセキュリティ

✓ トラベルモード(国境越えで一時的にデータを隠す)

✓ 充実したサポート

おすすめの人:

- 使いやすさを重視

- チームで使用

- 海外出張が多い

デメリット:

- 無料プランがない

- 料金がやや高め

3. LastPass(ラストパス)

料金: 無料(有料プランは$3/月)

特徴:

✓ 無料プランでも基本機能が使える

✓ 自動入力が便利

✓ パスワード共有機能

✓ セキュリティチャレンジ

おすすめの人:

- まず無料で試したい

- 自動入力を重視

- パスワード共有が必要

デメリット:

- 過去にセキュリティ事故あり

- 無料プランは1デバイスのみ

パスワード管理ツールの使い方

ステップ1:ツールのインストール

1. 公式サイトからアカウント作成

2. マスターパスワードを設定

(これだけは絶対に忘れないように!)

3. ブラウザ拡張機能をインストール

4. スマホアプリをインストール

ステップ2:既存パスワードの登録

方法1:手動で登録

各サイトにログインし、パスワード管理ツールに保存します。

方法2:ブラウザから一括インポート

Chrome、Firefox、Safariなどから、保存されているパスワードを一括インポートできます。

ステップ3:パスワードの強化

1. セキュリティチェックを実行

ツールが弱いパスワードや重複パスワードを検出します。

2. 重要なサイトから順に変更

- 銀行・金融機関

- メールアカウント

- SNSアカウント

- 業務システム

3. パスワード生成機能を使用

ツールの自動生成機能で、強力なパスワードを作成します。

ステップ4:二段階認証の設定

対応サイトで二段階認証を有务化:

1. サイトの設定画面で二段階認証を有効化

2. 認証アプリ(Google Authenticatorなど)を設定

3. バックアップコードを保存

実践的な運用ルール

個人での運用

ルール1:マスターパスワードは絶対に忘れない

- 紙に書いて金庫に保管

- 信頼できる家族に伝える

- 定期的に思い出す練習

ルール2:定期的なパスワード変更は不要

強力なパスワードなら、頻繁に変更する必要はありません。ただし、漏洩の疑いがある場合は即座に変更しましょう。

ルール3:パスワード共有は慎重に

家族や同僚とパスワードを共有する場合は、ツールの共有機能を使いましょう。

会社での運用

ルール1:全従業員にツールを導入

パスワード管理ツールの使用を義務化しましょう。

ルール2:共有パスワードの管理

複数人で使うアカウントは、ツールの共有機能で管理しましょう。

ルール3:退職者の対応

退職者がアクセスできたパスワードは、すべて変更しましょう。

ルール4:定期的な監査

四半期に1回、パスワードのセキュリティ状況を確認しましょう。

よくある質問

Q1:パスワード管理ツール自体がハッキングされたら?

A:主要ツールは「ゼロ知識アーキテクチャ」を採用しており、運営会社でもあなたのパスワードを見ることができません。マスターパスワードさえ守れば安全です。

Q2:マスターパスワードを忘れたら?

A:ほとんどのツールでは復旧できません。そのため、マスターパスワードは絶対に忘れないよう、安全な場所に記録しておきましょう。

Q3:無料版と有料版、どちらを選ぶべき?

A:個人利用なら無料版で十分です。ビジネス利用や高度な機能が必要な場合は有料版を検討しましょう。

Q4:スマホを紛失したら?

A:他のデバイスからログインし、紛失したデバイスのアクセスを無効化できます。

Q5:パスワード管理ツールを使わない方が安全では?

A:いいえ。人間の記憶力には限界があり、弱いパスワードや使い回しのリスクの方が高いです。

緊急時の対応

パスワード漏洩の疑いがある場合

1. 即座にパスワードを変更

2. 二段階認証を確認

3. ログイン履歴をチェック

4. 関連するアカウントも確認

5. 必要に応じて警察に相談

アカウント乗っ取りの場合

1. サービスのサポートに連絡

2. パスワードリセットを依頼

3. 二段階認証を再設定

4. 他のアカウントも確認

5. 被害状況を記録

まとめ

パスワード管理は、デジタル時代のビジネスにおいて最も重要なセキュリティ対策の1つです。パスワード管理ツールを使えば、安全性と利便性を両立できます。

今日からできること:

1. パスワード管理ツールを選ぶ

2. アカウントを作成する

3. 重要なパスワードから登録を始める

4. 弱いパスワードを強化する

5. 二段階認証を設定する

「パスワード管理ツールの導入をサポートしてほしい」「会社全体でのパスワード管理体制を構築したい」という方は、IT活用サポートクラブにご相談ください。ツールの選定から、導入、従業員教育まで、トータルでサポートいたします。

#セキュリティ#パスワード管理#IT基礎

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