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ITツール
2024年1月8日
読了時間: 15分

Googleスプレッドシートで作る在庫管理システム

大久保博
ITサポートクラブ 代表
Googleスプレッドシートで作る在庫管理システム

無料で始められる在庫管理の仕組みを、実際の設定手順とともに解説します。

なぜGoogleスプレッドシートで在庫管理なのか

在庫管理システムと聞くと、高額なソフトウェアを想像するかもしれません。しかし、小規模事業者にとって、Googleスプレッドシートは無料で始められる最適なツールです。

Googleスプレッドシートのメリット

1. 完全無料

Googleアカウントがあれば、追加費用なしで利用できます。

2. どこからでもアクセス可能

クラウドベースなので、パソコン、スマホ、タブレットからいつでもアクセスできます。

3. リアルタイム共有

複数のスタッフで同時に編集・閲覧が可能です。

4. 自動保存

データが自動的に保存されるため、入力ミスや停電でもデータが失われません。

在庫管理シートの基本構成

必要な項目

効果的な在庫管理には、以下の項目が必要です:

基本情報:

- 商品コード(SKU)

- 商品名

- カテゴリー

- 仕入先

在庫情報:

- 現在庫数

- 安全在庫数

- 発注点

- 単価

- 在庫金額

その他:

- 最終更新日

- 備考

ステップ1:基本シートの作成

1. 新しいスプレッドシートを作成

Googleドライブから「新規」→「Googleスプレッドシート」を選択します。

2. 列見出しを設定

A列からL列まで、以下の見出しを入力します:

- A列:商品コード

- B列:商品名

- C列:カテゴリー

- D列:仕入先

- E列:現在庫数

- F列:安全在庫数

- G列:発注点

- H列:単価

- I列:在庫金額

- J列:ステータス

- K列:最終更新日

- L列:備考

3. 見出し行の書式設定

1行目を選択し、背景色を設定(推奨:薄い青色)、太字にします。

ステップ2:数式の設定

在庫金額の自動計算

I2セルに以下の数式を入力:

`=E2*H2`

これで現在庫数×単価が自動計算されます。

ステータスの自動判定

J2セルに以下の数式を入力:

`=IF(E2<=F2,"要発注",IF(E2<=G2,"注意","適正"))`

これで在庫状況が自動的に判定されます。

最終更新日の自動記録

K2セルに以下の数式を入力:

`=IF(E2<>"",NOW(),"")`

在庫数が入力されると、自動的に日時が記録されます。

ステップ3:条件付き書式で視覚化

ステータスに色を付ける

1. J列を選択

2. 「表示形式」→「条件付き書式」を選択

3. 以下のルールを設定:

- 「要発注」→ 赤色の背景

- 「注意」→ 黄色の背景

- 「適正」→ 緑色の背景

これで在庫状況が一目で分かるようになります。

ステップ4:入出庫記録シートの作成

新しいシートを追加

下部の「+」ボタンで新しいシートを作成し、「入出庫記録」と名前を付けます。

記録項目

- A列:日付

- B列:商品コード

- C列:商品名

- D列:入庫/出庫

- E列:数量

- F列:担当者

- G列:備考

在庫シートとの連携

VLOOKUP関数を使って、商品コードから商品名を自動入力:

C2セルに:`=VLOOKUP(B2,在庫管理!A:B,2,FALSE)`

ステップ5:発注管理の自動化

発注リストの作成

新しいシート「発注リスト」を作成し、FILTER関数で要発注商品を自動抽出:

`=FILTER(在庫管理!A:L,在庫管理!J:J="要発注")`

これで発注が必要な商品が自動的にリストアップされます。

ステップ6:グラフで可視化

在庫金額の推移グラフ

1. データ範囲を選択

2. 「挿入」→「グラフ」を選択

3. グラフの種類を選択(推奨:棒グラフまたは円グラフ)

カテゴリー別の在庫金額や、在庫状況の割合を視覚化できます。

実践的な運用のコツ

1. 毎日の在庫確認を習慣化

朝一番や営業終了時に、必ず在庫数を確認・更新する習慣をつけましょう。

2. スマホアプリを活用

Googleスプレッドシートのスマホアプリをインストールすれば、外出先でも在庫確認・更新が可能です。

3. 定期的なバックアップ

月に1回、「ファイル」→「コピーを作成」でバックアップを取りましょう。

4. アクセス権限の管理

スタッフには「編集者」、経営者には「オーナー」の権限を設定し、適切に管理しましょう。

さらに高度な活用

Google Apps Scriptで自動化

プログラミングの知識があれば、以下のような自動化も可能です:

- 在庫が発注点を下回ったら自動メール通知

- 毎週月曜日に在庫レポートを自動作成

- バーコードスキャナーとの連携

まとめ

Googleスプレッドシートを使えば、無料で実用的な在庫管理システムを構築できます。最初は基本的な機能から始めて、徐々に自動化を進めていくことをお勧めします。

「もっと高度な在庫管理システムが必要」「自社に合わせたカスタマイズをしたい」という方は、IT活用サポートクラブにご相談ください。あなたのビジネスに最適な在庫管理の仕組みをご提案いたします。

#Googleスプレッドシート#在庫管理#業務効率化

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